特に原因がないのに、足に虫が這っているようなむずむず感があったり、火照ってじんじんするなどの症状が出ることがあります。
これはむずむず脚症候群と言われるもので、起きている時だけではなく、これから眠ろうという時に発症して眠れなくなったりします。
むずむず脚症候群とは夕方から夜間に発症することが多く、特に寝る前に現れやすいというのが特徴です。
この症状のせいで不眠になる可能性もあるので、むずむず脚症候群の原因や対策法を知っておきましょう。
むずむず脚症候群の発症率
あまり耳にしたことがないむずむず脚症候群ですが、発症率は2%から5%と言われています。
つまり20人から50人に1人は発症していると推定されていて、意外に患者数が多い病気なのです。
しかしこれだけ患者数があっても、残念ながらむずむず脚症候群の原因は確定されていません。
現時点では、代謝異常やドーパミン神経機能障害、鉄の欠乏などが関係していると考えられています。
遺伝によって発症するという説もありますが、いずれにしても可能性の段階で、はっきりとした原因は分からないのが実情です。
ただし、突発性は原因不明ですが、慢性的に発症する二次性の場合は病気や薬が原因です。
鉄欠乏症や慢性腎不全の方はこの症状が起こりやすいことが分かっていますし、抗精神病薬の副作用的な症状で発症することもあります。
ですがほとんどの場合は突発性で、神経が深く関連しているので診察を受けるようにしましょう。
脚の不快感
むずむず脚症候群になると、脚の不快感のせいで寝付けなかったり、眠っていても脚を動かしてしまいます。そのため睡眠の質が悪くなり、不眠症などの睡眠障害が併発するかもしれません。
睡眠の質が低下すると、集中力がなくなったり疲労が蓄積してしまい、日常生活に支障をきたすことがあります。さらに、日常生活の活動が低下すると、メンタル面にも影響を与えます。
ちょっとしたことでもネガティブに考えてしまったり、ひどくなるとうつ病になってしまうとも言われています。
またこの病気は一般的に知られているものではありませんし、外部にはまったく分からない症状です。
そのため第三者の理解がなく、怠けている、だらしがないなど誤解されることもあり、余計に精神的に追い込まれる人もいます。
むずむず脚症候群は、自然に治る可能性はあるものの、その間は不快感に悩まされ続けなくてはいけません。
また、自然に治るといっても絶対ではないので、不眠などで生活の質やメンタル面の健康を害す前に早めに医療機関を受診しましょう。